老人ホームへの入居で必要になる備品以外のものとは

老人ホームを含めた福祉施設などでは、さまざまな備品があるので安心して入居できると考えている人もいるのではないでしょうか。実は老人ホームでは備品の数には限界があるため、保管できる数を用意しているだけということがあります。

なので、いざというときに「必要な物が足りない」なんてこともあるそうです。そこで、老人ホームへ入居するときに準備しておくと良いものにはどんなものがあるかを紹介します。

→老人ホームによって異なる施設のコンセプト


老人ホームにはどんな備品が用意されているのか

老人ホームへの入居を考えている人は、入居の申し込みをする前に施設内を見学することをおすすめします。老人ホームにはさまざまな備品が揃っていますが、数が多いわけではありません。そのため自分が必要だと思うものは、入居前にできるだけ準備しておく方がいいでしょう。

たとえば、居室に用意されている備品にはエアコンやトイレ、洗面台、照明器具、カーテンのほか、介護用ベッドや床頭台などが標準で揃えられているといいます。また、いざというときのためにナースコールがベッドやトイレの中に設置されていることも多いようです。

スプリンクラーや電話回線の設置もしっかりとされているので、電磁調理器がある場合も安心です。また、クローゼットや下駄箱、押入れなどが設置されている老人ホームもあります。共有部分だと、個別浴室はもちろん大浴場もある施設も最近は多いです。

共同キッチンがあったり、談話室などのほか、カラオケがいつでもできるように準備しているところもあるといいます。老人ホームといってもいろいろなところがあるので一概にはいえませんが、おおよそこのくらいの備品が用意されていると考えられます。

なので、これらのように入居する人がしっかりと生活しやすい環境が整えられていないところは避けた方がいいでしょう。

自分で用意しておくといいものも多い

老人ホームによっては、それまで住んでいたところで愛用していた家具を一緒に持ち込んでも良い、と言われるところもあります。使い慣れた家具があることで、寂しさを紛らわすことができたり、安心感を持つことができるからです。

テーブルや椅子、チェストなど愛用しているもの、持ち運べるようなものはいくつか準備しておくといいでしょう。備品として設置されているところもありますが、やはり自分の愛着があるものの方が嬉しいですよね。これは少し意外と感じる人もいるかもしれませんが、電化製品なども自分で準備しなければいけません。

テレビや冷蔵庫、電話機やパソコンなど以外にも、入浴後の髪の毛を乾かすときに必要なドライヤーも自分で持っていかなければいけないこともあります。備品として用意されているところもありますが、あって困るようなものではないのでひとつくらいは持って行くといいでしょう。

電話機やパソコンなどを利用する場合は、自費で電話回線・インターネット回線の工事をしなければいけなかったり、利用料金も自分で支払う必要があるようです。もちろん、これも施設によって違うので、入居前に備品のほかの項目としてチェックしておくことをおすすめします。

ベッドはあるけど寝具はないところもあるので注意

老人ホームに入居するときには寝具一式も用意しなければいけない場合もあるので、そこは要注意です。ベッドはあるけど寝具がないので眠れない、なんてことにならないように事前に準備しておきましょう。

季節によって必要になる着替えなどを持って行ったり、内履きと外履きの靴を用意しないといけないことも多いです。居室の備品として寝具まですべて用意してくれているところもありますし、ベッド以外にも居室に小さなテーブルと椅子が用意されている場合もあるようです。

施設によって違いがあるので、これらはすべて入居を申込んだり老人ホームを探すときのチェック項目に入れておくと良いでしょう。

室内用物干しや洗濯物を入れるカゴ、洗濯ネット、洗濯洗剤や柔軟剤などのほかに洗濯ばさみなども自分で準備しておくと、ちょっと汚れたものを手洗いしたときや洗濯機を利用した際には便利です。

歯ブラシや歯磨き粉、コップや洗面器もあらかじめ用意してあると便利だといいます。日常生活に必要なものはだいたい用意しておくと、いざというときにすぐ使用できるのでおすすめです。備品としてこれらの細かなものは用意されているとは考えず、自分で準備しておいた方が安心できます。

自分用の介護用品や薬は忘れずにチェックしよう

老人ホームへ入居する前に自分が使っていた介護用品があれば、それらも一緒に持ち込むといいでしょう。杖やシルバーカー、シャワーチェア、ポータブルトイレなどは個人で使っているものの方が安心ですよね。ほかにも、車椅子は個人差があるので自分用のものがあるならそれが一番使用しやすいので持っていくべきです。

日常生活で必要なおむつやパット、オーラルケアセットも自分用のものだと安心です。個人差があって共有できない補聴器や眼鏡はもちろん、食事用のエプロンや自助具もあると便利です。もし入れ歯を使用しているのなら、入れ歯ケースや入れ歯用洗浄剤、入れ歯安定剤なども忘れずに持っていきましょう。

薬関連の用意としては、内服薬や目薬、塗り薬などは用意しておきます。また、湿布薬や市販薬などもあると便利です。常備薬がある場合はお薬手帳も忘れずにセットにしておくといいです。普段から使っているものや必要なものはある程度揃えておくと、安心感があります。

必要だと感じたものは備品として用意されているとしてもひとつくらいはあらかじめ準備しておくといいかもしれません。入居する前に渡されるパンフレットなどもしっかりと確認しておくと、安心して申し込むことができるでしょう。

どこでも笑顔で過ごせるように準備が大切

老人ホームによって多少の違いがあるとしても、ある程度は備品が揃っていると考えられます。ただ、やはり自分がそれまで住んでいた家とはまったく違う施設の部屋で過ごすことが増えるのなら、安心できる家具や寝具を持っていけるというのはとても良いことではないでしょうか。

備品にはさまざまなものがあるので、自分で用意しなくても大丈夫と感じることもあるかもしれませんが、やはり安心感があるかないかを考えると用意しておくと良いもの、持ち込んだ方が良いものがあります。老人ホームの備品をしっかりとチェックしたら、今度は自分にとって大切なもののチェックを忘れずに行いましょう。

老人ホームの備品に頼らず過ごせるように考えよう

老人ホームなどの施設には介護の現場として必要なものは多く保管されているため、安心できる環境だといえます。しかし、個人に限っていえば違った環境に急に「馴染め」と言われても難しいものでしょう。なので、老人ホームで揃えられている備品に頼るばかりではなく、自分が必要だと感じるものは事前にしっかりとチェックしておくことをおすすめします。